崖の下のポニョ
ネットでの前評判が異常に高くて非常に楽しみにしてました。
たけくまメモとかでも大絶賛だし。
宮崎アニメ独特の色やキャラのかわいらしさ、そして動き。
いちいち素晴らしい。
しかもトトロ以来じゃないかって思うほどのポニョ(魚)*1のキャラクターとしての造詣のレベルの高さ。
あとね、なにしろ凄いと思うのはキャラの台詞。
宮崎作品では必ずその作品とキャラクターを象徴する名台詞、耳に、心に残る台詞が登場するんですが、今回もあります。
「ポニョ、そーすけ、だーいすき!」がそれ。
いやなんか超シンプルな台詞だけどグッと来ますよ。印象深い。
街を歩く小学生の集団が大声で言ってたのを聞いたし、セリフ・オブ・イヤー間違いないんじゃないでしょうか。
スターウォーズ(つーかジョージ・ルーカス作品)にしてもそうだし、宮崎作品にしてもそうだし、はっきり言ってストーリーは二の次です。ストーリーのこと言い出したら難癖はいくらでも付けれるんですが、そんなのどうでも良くなる圧倒的な画の力。これを映画館の大きなスクリーンで見ることに価値があるし、小さな子供には(大人にだって)ちゃんとした整合性のある深いストーリーなんかよりもその画の力で何倍もの深いダメージを与えることができると思う。
観てよかった。
まだ宮崎アニメの新作をもっともっと観たい。
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(目指せ100作鑑賞☆36作目)
デトロイト・メタル・シティ
あのお下品なギャグマンガをどう映画化するのか、マツケンこと松山ケンイチがどう演じるのか楽しみにしながら鑑賞。
しょっぱなから青春映画の雰囲気。
結局かなり松山ケンイチ色というか彼だからこその世界観で漫画原作とは全く違うテイストになってました。
原作は渋谷系弱気根岸くんと地獄メタルクラウザーさんの渾然一体となった切り離すことのできないカオスなキャラが魅力だと思うんだけど、マツケン根岸くんは、メタルクラウザーさんとくっきり分かれてるというか、根岸くんの業の部分が見えなかった。
でもこれはマツケンが悪いのではなく、もともと映画の企画段階でこういう毒抜きがされてるんだからしょうがないですよね。
つーか原作テイストのまま映画化して、さすがに加藤ローサさんはあの役やんないでしょう。
もし原作テイストでやるなら根岸くん役は伊藤淳史くん、相川さんは黒川芽衣さんがそれぞれ体張ってくれそうでおもしろいんじゃないかと思うんですが。
デスレコーズの女社長役の松雪泰子さんははまり役でした。もうちょいオバサン風味が出ててもよかったけど。
ま、この映画で一番の感動はカジヒデキの作った根岸作品のクオリティの高さですね。
それだけでも渋谷系ファン・ギターポップファンはこの映画を観るべし。
カジくん実際にカメオ的に出演してるし、演奏してるカジくんの隣にフルートの人が映ってるとこなんか本当にツボを心得た演出だと思いました。
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(目指せ100作鑑賞☆35作目)
百万円と苦虫女
蒼井優主演のアートワークのかわいらしい映画。
いきなり意表をつくオープニングからかわいらしいだけじゃない、たくましく、でもナイーブで真っ直ぐな主人公の女の子に感情移入。
物語後半に登場する森山未來くん演じる男の子は主人公の女の子と恋に落ちるのだけど、これがまた聡明で、でもナイーブで芯のあるマジメな超好感度高い青年。
絶対に監督のタナダユキさんの好みのタイプが投影された役だと思いました。
つーか森山くんのことが好きで最初から理想の男子として脚本当て書きだなきっと。
なんでそんな風に思うかというと、僕が女子だったら同じように森山くん演じるような男の子のことが大好きだと思うから。
そんで僕が監督で脚本書くのであれば、きっと同じことすると思います。
つーわけで途中から「監督、森山くんが理想像だから展開的にはこうですねよっ!」って思いながら見つつ本当にそういう流れになりました。
美しいお話しでした。青春!!!!
(目指せ100作鑑賞☆34作目)
世界で一番美しい夜
いろいろ度肝を抜かれた聖なる性のファンタジー。
トレイラーを見たとき縄文時代的乱交シーンを見て石ノ森章太郎のまんが日本の歴史を思い出しました。
縄文時代にはムラの血が濃くなり過ぎないように、他のムラから若者を呼んで麻薬を焚いてムラの若者と外の若者が乱交をして新しい子孫を作っていく。直接的な説明ははっきり覚えてないけど、なんかそんなシーンがあった漫画だったと記憶しています。今思えば子供が読む本によくそんなシーンがあるなぁと自分の記憶を疑ってしまいますが、多分事実。さすが石ノ森。
そんでこの映画、まさにそんなシーンがクライマックス。
凄いです。
そしてやっぱし江口のりこさん*1の芝居っつーか女優魂はこのラストシーンでも超光ってましたが、なんと言っても今年一番の度肝ぬかれは主演女優の元宝塚男役月船さららさんの脱ぎっぷり。
脱ぎっぷりつーか撮らせっぷり。
マジっすか、そんな脱いじゃうんすか、さらら姉さん!
その角度で撮らすんすか、さらら姉さん!
そんなプロレスするように絡むんですか、さらら姉さん!
つーのが正直な感想。
いや、月船さららさんのこの異常なほどの存在感がなければこの映画は成立しなかったでしょう。
ネコ顔のスタイル抜群のかわいらしい女性が、異常性欲で悲しい過去を背負い禁欲している場末のスナックのママ(霊感持ち)を演じているという設定だけでも面白いんですが、脚本も他の出演者も、演出も映像美も本当によくできた映画だと思います。
(目指せ100作鑑賞☆33作目)
夜のピクニック
主演の多部未華子と石田卓也の朴訥とした演技が好感度高い青春映画。
真夜中に80kmも歩くという高校の一大イベント。
それぞれの生徒がそれぞれの思いで参加していて、実行委員のはりきりすぎてる感じとか、本当はワクワクしてるのに興味なさそうなフリしてる子とか、高校生って感じが充満してました。
なんとなく地味な演技をする役者さんが多い中、主人公の友人役の貫地谷しほりさんが強烈な個性を放ってました。ひとりだけ小劇場の舞台俳優みたいな濃さ。
あと柄本佑くんもグミチョコレートパインと同じようなキャラ設定で出演されてたんですが、こちらは覚醒前な感じでした。
ここ数年でもの凄い成長したんだなーと思った。
池松壮亮くんも加藤ローサさんの空気の読めないかわいい弟役で出演してましたが、完全に子役でしたね。
彼もこの数年でぐっと大人っぽくなったんですね。まー15歳が18歳になるんだから当たり前か。
そんなわけでこれからの日本映画で活躍が期待される若手がそろっててなかなか素敵な映画でした。
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(目指せ100作鑑賞☆32作目)